ブログ

埼玉起業人発掘プロジェクト『横瀬の起業・共創実現のためのリアル対談』開催レポート

2025年4月23日、第11弾埼玉起業人発掘プロジェクト『横瀬の起業・共創実現のためのリアル対談』を開催しました!

「なぜ横瀬?」と思った方も多いのではないでしょうか?
実は横瀬、ほぼ毎月、新しいビジネスプランが持ち込まれる町なのです。横瀬町で取り組みたいアイデアやプロジェクトを実現できる”よこらぼ”という仕組みがあり、誰でもチャレンジできる環境が整っています。起業家のほか、大企業の方や学生さんもエントリーしているそうです。

第一部では、横瀬で活躍している登壇者の皆さんに、”よこらぼ”からどのように事業が生まれるのか、横瀬での起業・事業づくりにはどのような特徴があるのか、リアルなお話をしていただきました。横瀬町役場と起業家のつながりがしっかりしていて、起業するなら横瀬は見逃せないと思いました!

そして第二部の交流会&懇親会は、横瀬での盛り上がりをそのまま引き継ぎ、新たな出会いやつながりが次々と生まれる、活気あふれる場となりました!

「埼玉起業人発掘プロジェクト」とは

埼玉県内の各地域の起業家・経営者を発掘・紹介するとともに、埼玉地域起業家✕埼玉地域起業家による共創が生まれる場をつくり、広域のコミュニティを形成していくために発足したプロジェクトです!
りそなコエドテラス 3階のResona Kawagoe Base+ (以下、RKB+)にて、登壇者の皆さまと起業を考えている方やスタートアップ企業の経営者の方の活発な交流が生まれています。

当日の様子|横瀬の起業・共創実現のためのリアル対談

登壇者の紹介

本日ご登壇いただいた皆さまをご紹介します。

横瀬町役場 まち経営課 連携推進室長 田端 将伸さま
合同会社 浅見制作所 代表社員 浅見 裕さま
株式会社goodyard 代表取締役 杉本 諒介さま
株式会社カリラボ 代表取締役 吉田 隼介さま
有限会社小松沢レジャー農園 生産事業部 町田 裕さま

登壇者の皆さま、貴重なお話をありがとうございました!

各登壇者のプロフィールはこちら

写真:登壇者写真

【第一部】パネルディスカッション

各登壇者の自己紹介や事業紹介から熱意がひしひしと伝わってきました。それだけでも非常に充実した内容でしたが、その後は下記のテーマに沿って、さらに活発な議論が交わされました。

ディスカッションテーマ

  • 横瀬における事業創出のポテンシャル
  • 横瀬の地域特性を生かした起業とは?
  • 横瀬企業×スタートアップ企業との連携

横瀬における事業創出のポテンシャル

田端さま
「横瀬町では”よこらぼ”という仕組みを通じて、新しい人材やスキル、情報を町に呼び込み、地域をフィールドにしたさまざまなチャレンジが行われています。”よこらぼ”は開始から約8年が経ち、これまでに約260件の提案が寄せられ、そのうち約150件が採択されるなど、毎月1件以上のペースで着実に取り組みが増えています。

横瀬町では空き家の増加が課題となっていますが、これを逆手に取り、宿泊施設としてリノベーション・活用する動きが進んでいます。今後も多くの空き家を活用してもらいたいですね。各宿泊施設の強みを活かしながら、宿泊ニーズを取り込むことで、日帰り客中心の現状からの転換も期待しています。

また、農業の担い手不足や獣害対策の不十分さなど、行政だけでは対応しきれない地域課題も顕在化しています。こうした分野では、民間プレーヤーが参入する余地が大いにあり、横瀬町を“開放”することで、新たなビジネスによって課題を解決できる可能性が広がっています。」

町田さま
「横瀬町を含む秩父地域では耕作放棄地が年々増加していますが、大規模な農地を確保することが難しいという現実があります。そうした中で注目されているのが、高付加価値な果樹栽培です。とりわけブドウなどの果物は、山梨や長野と同様に、秩父地域の気候・地形が栽培に適しています。果樹栽培の技術や設備の集約も進んでおり、起業家や新規就農者にとっても取り組みやすい分野です。例えば”ちちぶ山ルビー”は、秩父地域でしか栽培・販売できない希少なブドウ品種で、ブランド性が高く、高単価での販売が可能です。地域独自の強みとして活かすことができます。

浅見さま
「横瀬町は、秩父地域や隣接する長瀞町、三峯神社の周辺を含めた広域圏で捉えると、約10万人弱のマーケットを形成しています。この広がりを商圏として意識して、商圏のニーズとビジネスをマッチさせることがポイントだと思います。

また、アクセスの良さも大きな強みです。池袋から西武特急”ラビュー”を使えば約70分、わずか4駅で到着するという都市圏との距離感は、他にはない優位性です。縦移動(都市→自然)で完結し、横移動の少ない立地は、訪れる人にとっても移動のストレスが少ないという利点があります。

横瀬町には、美しい景観や自然など都市部では味わえない魅力があります。都市圏からわずか1時間ほどの距離にありながら、豊かな自然環境とのギャップを楽しめる点が訪問者にとっての大きな価値です。しかし現状では、宿泊地として選ばれることは少なく、主に日帰り観光の選択肢として認識されています。このような”日帰り圏内で自然を楽しむ”という消費者の行動パターンや意識を踏まえたうえで、どのようなコンテンツを提供するかが鍵と言えます。」

横瀬の地域特性を生かした起業とは?

吉田さま
「横瀬町では、行政が非常にオープンな姿勢で外部のチャレンジを歓迎しています。地域に新たに入って活動を始める際には、地元の理解や協力を得ることが不可欠ですが、そうした場面で”よこらぼ”が心強いサポート役となります。

“よこらぼ”は、地元の方々に対して活動の趣旨や背景を丁寧に説明し、必要に応じて関係者との橋渡しも行ってくれます。例えば、町の猟友会と連携した取り組みを行う際、”よこらぼ”が間に入って適切な説明や調整を行い、地域に受け入れられやすい形を整えてくれました。」

田端さま
「横瀬町では、行政による支援だけでなく、地域内の起業家同士の横のつながりも活かしながら、挑戦する人たちを支える体制が整っています。単なる制度的なサポートにとどまらず、人と人とのつながりを大切にする文化が根づいています。

その一例が、起業家たちによるホームパーティや交流の場です。こうしたカジュアルな集まりを通じて、自然と仲間ができたり、情報交換が行われたりする中で、新たな仕事のきっかけが生まれることもあります。」

横瀬企業×スタートアップ企業との連携に学ぶ

杉本さま
「長瀞エリアの宿や皆野町のキャンプ場など、横瀬町周辺エリアとの連携が多いですね。」

田端さま
「横瀬町は多くの自治体と連携協定を結んでいます。また、”よこらぼ”や企業の研修などを通じて横瀬町を知った方がプライベートで遊びに来ることもあります。そのような人たちにサービスを提供する事業者が増える流れを作りたいと考えています。特に宿泊施設がまだ足りていないと感じています。」

浅見さま
「それぞれの事業者が横瀬町の魅力を伝え、外部の企業・事業者を連れてきている面もあります。横瀬町の規模が大きくなく、横のつながりが強いこともあり、横瀬町を宣伝できる人が多いのだと思います。」

【第二部】交流会・懇親会

第二部の交流会・懇親会では、登壇者と参加者が一堂に集い、活気に満ちた交流の時間が広がりました。会場のあちこちで熱心な会話や笑顔が飛び交い、非常に和やかな雰囲気に包まれていました。
また、登壇者である株式会社カリラボの吉田様から鹿ソーセージを、有限会社小松沢レジャー農園の町田様からはあまりんをご提供いただき、参加者の皆さんでおいしくいただきました!
参加者は、登壇者との直接の対話を通じて大きな刺激を受け、新たな挑戦へのヒントを得られたことでしょう。

今後も、挑戦する起業家たちが互いに刺激し合い、共に成長していける場を創出していきます!

参加者の声

本日のイベントは、横瀬での起業を考えている方にとって、有益な情報が得られたり、起業家のネットワークを広げることができたりする貴重な機会になったのではないでしょうか。

参加者からは以下のような感想が寄せられています。

「横瀬の勢いを感じることができた。起業しやすい町だと感じた。」
「地域資源を有効活用しようと一致団結して取組んでいるのが良くわかった」
「役場の方がスタートアップに対して柔軟に受け入れているのが凄いと感じた」
「横瀬以外から入ってくる起業家もすぐに溶け込む雰囲気がここにはあると感じた」

これから起業を考える方へ

起業には必ず失敗のリスクが伴います。起業を成功に導くには、起業を経験した人や事業を営む人の”生”の情報を得ることが大切です。起業家の”生”の声を聞かずに起業するなんて、自ら失敗の道を進んでいるようなもの・・・
RKB+の起業家ネットワークには、失敗のリスクを下げ、成功確率を上げるヒントが詰まっています。起業を志す方や漠然と起業を考えている方も、ぜひRKB+にお越しください。まずはイベントの参加または施設の見学を!

まとめ

横瀬での起業・事業創出の可能性や起業家の皆さまの熱量が伝わりましたでしょうか?

これからも、埼玉県内の各地域の起業家とともに埼玉起業人発掘プロジェクトを開催していきます。その他にも、起業家向けセミナーやネットワーキングイベント、ビジネスコンテストなど、様々なイベントを開催していますので、ぜひホームページをチェックしてください。Resona Kawagoe Base + の会員さまはもちろん、非会員の方もウエルカムです!

一緒に埼玉県を盛り上げていきましょう!

【参考】横瀬町の概要

「そもそも、横瀬町ってどんなところ?」と思われた方に向けて、横瀬町の基本情報やビジネス環境をご紹介します。「横瀬で起業するのもアリだな」と感じていただけたら幸いです。

横瀬町の基本情報

横瀬町は埼玉県秩父郡に位置し、秩父市に隣接する自然豊かな町です。2025年4月現在、人口は7,380人で、世帯数は3,029世帯です(埼玉県推計人口)。 町内には武甲山や横瀬川などの自然景観が広がり、観光資源としても魅力的です。

秩父エリアには羊山公園の芝桜や長瀞のラインくだり、三峯神社など人気の観光スポットが点在しています。横瀬町は西武秩父駅から1駅とアクセスが良く、武甲山登山の玄関口としても知られています。

出所:RESAS(地域経済分析システム)

横瀬町のビジネス環境

横瀬町の経済を付加価値額で見ると、「医療,福祉」「運輸業,郵便業」「製造業」が中心となっていますが、近年では新しいビジネスの誘致や起業支援にも力を入れています。特に、町の地域資源を活用した事業や、地域課題の解決に資する事業が期待されています。

【交通・インフラ】
横瀬町は西武鉄道横瀬駅を有し、池袋駅から特急で約70分の距離にあります。主要道路としては国道299号が通っており、車でのアクセスも可能です。ただし、都市部と比較すると交通の便は限られるため、事業計画時には物流や顧客のアクセスを考慮する必要があります。

出所:RESAS(地域経済分析システム)

横瀬町で起業するなら

横瀬町では、官民連携プラットフォーム「よこらぼ」を通じて、起業支援型よこらぼの提案受付を開始しています。この制度では、町の地域資源や課題を活用した新しい事業に対し、補助金やフォローアップ支援が提供されます。また、秩父商工会議所と連携し、事業立ち上げから軌道に乗るまでの伴走支援も行っています。このような公的な支援も活用しながら、起業の準備を進めてはいかがでしょうか。 もちろん、RKB+においても、様々なバックグランドを持つコミュニティマネージャーが起業家の皆さまをサポートしますので、何なりとご相談ください。