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埼玉起業人発掘プロジェクト『寄居町の起業・共創実現のためのリアル対談』開催レポート

2026年2月25日、第20弾となる埼玉起業人発掘プロジェクト『寄居町の起業・共創実現のためのリアル対談』を開催しました !

今回は、荒川の清流と歴史に抱かれた「寄居町」にスポットを当て、地元に深く根ざしながらもグローバルや先進的な視点を持つ4名の起業人が登壇。商工会や金融機関との密接な連携、そして「不便さ」すらも価値に変える地方ビジネスの真髄について、熱気あふれる対話が繰り広げられました。

「埼玉起業人発掘プロジェクト」とは

埼玉県内の各地域の起業家・経営者を発掘・紹介するとともに、埼玉地域起業家✕埼玉地域起業家による共創が生まれる場をつくり、広域のコミュニティを形成していくために発足したプロジェクトです!
りそなコエドテラス 3階のResona Kawagoe Base+ (以下、RKB+)にて、登壇者の皆さまと起業を考えている方やスタートアップ企業の経営者の方の活発な交流が生まれています。

当日の様子|寄居の起業・共創実現のためのリアル対談

登壇者の紹介

本日ご登壇いただいた皆さまをご紹介します。

森田 淳一 様(ジェイムズ株式会社 代表取締役)
尾形 慎哉 様(株式会社グラグリッド 代表取締役)
清田 享平 様(株式会社Acrosuperk 代表取締役 / 株式会社LIBERANOVA 共同創業者)
澤井 修司 様(あす綜合法務事務所グループ・田舎相続不動産株式会社 代表取締役)

登壇者の皆さま、貴重なお話をありがとうございました!

各登壇者のプロフィールはこちら

【第一部】パネルディスカッション

各登壇者から自己紹介や事業紹介をしていただき、その後は下記のテーマに沿って、さらに活発な議論が交わされました。

ディスカッションテーマ

  • 寄居町における事業創出のポテンシャル
  • 寄居町の地域特性を生かした起業とは?
  • 寄居町企業×スタートアップ企業との連携に学ぶ

寄居町における事業創出のポテンシャル

森田さま
「寄居町のポテンシャルは、何と言っても『商工会』という組織を中心とした地域の繋がりの強さにあります。商工会は創業希望者を決して放っておきませんし、仲間との橋渡しを非常に積極的に行ってくれます。私自身、創業の数ヶ月前に澤井さんの自宅でのバーベキューに招かれたことがありました。そこには金融機関の要職の方々が揃っており、急遽プレゼンをさせていただいたのですが、そんな風に地域全体で創業を後押ししてくれる文化があります。こうした密な連携が日常的に行われていることが、寄居で事業を創出する上での大きな武器になります。」

尾形さま
「私は福島出身で、都内で20年ほど働いた後に寄居へ移住してきました。移住の際、中心市街地で物件を探すのは難航しましたが、地域の繋がりで現在のスナック兼自宅の物件を直接紹介してもらうことができました。きっかけは駅前で開催されていたワイン会というイベントでしたが、そこで出会った仲間と『ここを借りよう』という勢いで決まりました。外から来た人間であっても、熱意を伝えれば必ず応えてくれる人がいて、そこから支援の輪が広がっていく。そうした『人の熱量に反応する土壌』こそが、寄居の持つポテンシャルだと感じています。」

清田さま
「AIが発達する時代だからこそ、最後に残るのは人間の感情であり、そこに寄り添ったビジネスに大きなポテンシャルがあると考えています。寄居には豊かな自然や観光資源があり、五感を刺激する『地方の味』やストーリー体験を提供できる強みがあります。私の実家の飲食店にも都内や横浜から多くのお客様が来られますが、それは便利さだけではない『感情価値』を求めているからです。全てを効率化するのではなく、あえて一定の不都合やプロセスを楽しむような、地方ならではの価値を磨くことで、都内を凌ぐ事業ポテンシャルを生み出せると確信しています。」

澤井さま
「私は寄居に縁があったわけではありませんが、暮らしたい街としてこの地を選びました。実際に事業を始めて驚いたのは、商工会や金融機関といった『事業者支援の現場に立つ人たちの距離の近さと質の高さ』です。経営指導員のレベルが非常に高く、休日に支援機関の人々が集まって創業者のために情報交換をするような文化は、他の地域ではなかなか見られない光景です。頼れるプロフェッショナルがすぐそばにいて、密に連携できる環境があることは、寄居で起業する上での決定的なメリットであり、大きな伸び代と言えるでしょう。」

寄居町の地域特性を生かした起業とは?

森田さま
「私が寄居で起業したのは、何よりもこの地域が好きだからです。田舎で起業することの最大のメリットは、AI時代においても決して失われない人間味あふれる価値を創造できる点にあります。寄居は商工会や金融機関との連携が他地域と比較しても突出して強く、私自身、県の役員などを務める中でそのありがたみを痛感してきました。地域への愛着を起点に、人間関係の深さを活かしたビジネスを展開する。そうした人間味を大切にする姿勢こそが、寄居という土地の特性を最大限に活かす起業のあり方だと考えています 。」

尾形さま
「私はデザイン業界でモノの使いやすさを研究してきましたが、現在はその考え方をまちづくりに応用しています。単なるモノづくりではなく、誰がどこでどう使っているのかというサービス全体を事業として捉えることが不可欠です。寄居では実験スナックrutsuboなどを通じて、地域との関わりを作る共創の場の社会実験を実践しています。地域の特性やそこにある歴史と、自分自身の業界の専門性を掛け合わせる。その街に入り込み、多様なプレイヤーと一緒に未来を形にしていくことが、私にとっての寄居での起業の姿です。」

清田さま
「私はイギリスでの経験やグローバル企業での活動を経て、情報格差や機会格差をなくしたいという思いで地方での起業を選びました。寄居という人口3万人の場所であっても、情報と機会があれば可能性は無限大です。ヒカキンさんのように、スーパーの店員から日本を代表する存在が生まれる時代。自分がロールモデルとなり、地方でも新しい挑戦ができることを体現することで、後に続く若者を勇気づけたいと考えています。教育という文脈でも活動を広げ、地方ならではのガソリンスタンドやスーパーから新しいきっかけを作れるような雇用を創出していきたいです。」

澤井さま
「私は大学時代に司法書士・行政書士を目指すと決めましたが、都心のタワーマンションで暮らす姿より、自然豊かな場所で家族団らんに過ごし、地域の皆さんに頼りにされる人生を選びました 。寄居のような場所でもビジネスを逆算して成立させることは可能です。地方には特有の余白があり、都心の案件とは異なる手間の掛かる仕事であっても、そこに自分のスキルがはまれば十分なチャンスがあります。著書の『あるある!田舎相続』も、まさに田舎とビジネスを掛け合わせた余白を突いた結果です。地方ならではのニーズにコミットすることが、私の戦略です。」

寄居町企業×スタートアップ企業との連携に学ぶ

森田さま
「開発したAI翻訳機ワールドトーカーは、建設現場などの言葉の壁を突破するために生まれました。これからはAIが発達する一方で、日本の伝統工芸や建築技術への海外からの評価はさらに高まっていきます。私が考えている連携は、外国人就労者が日本で技術を学んだ後、母国へ帰る際に出資を行い、向こうで共に起業するというモデルです。学ばせるだけで終わらせず、AIを活用してコミュニケーションの負荷を減らしながら、次の投資や世界進出に繋げる。そうした言語の壁を超えた技術承継と海外展開の連携を、寄居から広げていきたいです。」

尾形さま
「連携において最も重要なのは、何のためにやるのかというテーマ設定です。そのテーマに自分事として関われ、心の底からやりたいと思える熱量がなければ、企業同士の連携はうまくいきません。多くの共感が得られるテーマをいかに設定できるか、そこに時間をかけるべきです。寄居においては、駅前が新しくなった今、そこをどう活用し、街をどう面白くしていくかという問いが共通の関心事になっています。そうした地域の具体的な課題を自分たちのテーマとして掲げることで、多様なプレイヤーとの本質的な連携が始まると考えています。」

清田さま
「日本の人口減少が避けられない中、地方こそインバウンドという外貨を稼ぐ視点での連携が不可欠です。伝統工芸や食に、AIやSNSを駆使してストーリーを乗せる。例えば単なるうどんを提供するのではなく、地元の職人が1年かけて作った器で食べるといった歴史や背景を伝えることで、価値は劇的に高まります。地方には自分たちでは気づいていない魅力が眠っています。都内からお忍びで来る大企業や海外のゲストに対し、寄居の拠点であるYotteco(ヨッテコ)などを案内しながら、地域の資源とグローバルな視点を掛け合わせた、高単価で誇れるビジネスを共創していきたいです。」

澤井さま
「ある某有名観光地の再生を手掛けている会社さんとお付き合いがあるのですが、寄居の話をしたところ、そのポテンシャルに非常に興味を持ち、主要メンバーで視察に来てくれることになりました。こうした外の視点を持つ企業が興味を持つだけの価値が、寄居にはあるということです。また、私は都内に不動産会社を立ち上げ、都心のネットワークにある情報を地方へ橋渡しする役割も担っています。
地方特有の余白に外の知見を流し込み、問題を解決していくような、越境型の連携を加速させていきたいです。」

【第二部】交流会・懇親会

トークセッションの後は、登壇者を囲んでの交流会が行われました。
名刺交換の列は絶えず、登壇した4名の熱い言葉に刺激を受けた参加者の皆様からは、「寄居で一緒に面白いことができそう」「自分の事業に今の視点を取り入れたい」といった前向きな声が次々と上がっていました。寄居というフィールドを舞台に、新たな共創の種が芽吹く瞬間を感じさせる、エネルギーに満ちたひとときとなりました。

これから起業を考える方へ

起業には必ず失敗のリスクが伴います。起業を成功に導くには、起業を経験した人や事業を営む人の”生”の情報を得ることが大切です。起業家の”生”の声を聞かずに起業するなんて、自ら失敗の道を進んでいるようなもの・・・
RKB+の起業家ネットワークには、失敗のリスクを下げ、成功確率を上げるヒントが詰まっています。起業を志す方や漠然と起業を考えている方も、ぜひRKB+にお越しください。まずはイベントの参加または施設の見学を!

まとめ

寄居での起業・事業創出の可能性や起業家の皆さまの熱量が伝わりましたでしょうか?

これからも、埼玉県内の各地域の起業家とともに埼玉起業人発掘プロジェクトを開催していきます。その他にも、起業家向けセミナーやネットワーキングイベント、ビジネスコンテストなど、様々なイベントを開催していますので、ぜひホームページをチェックしてください。RKB+ の会員さまはもちろん、非会員の方もウエルカムです!

一緒に埼玉県を盛り上げていきましょう!