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埼玉起業人発掘プロジェクト『日高の起業・共創実現のためのリアル対談』開催レポート

2025年9月24日、第15弾となる埼玉起業人発掘プロジェクト『日高の起業・共創実現のためのリアル対談』を開催しました!

第一部では、日高の未来をつくる登壇者の皆さんから、この街で挑戦を続ける想いや、事業づくりに込めた熱いストーリーを直接聞くことができました。
そして第二部の交流会&懇親会は、その盛り上がりをそのまま引き継いで、新しい出会いやつながりがどんどん生まれる、にぎやかで楽しい時間になりました!

「埼玉起業人発掘プロジェクト」とは

埼玉県内の各地域の起業家・経営者を発掘・紹介するとともに、埼玉地域起業家✕埼玉地域起業家による共創が生まれる場をつくり、広域のコミュニティを形成していくために発足したプロジェクトです!
りそなコエドテラス 3階のResona Kawagoe Base+ (以下、RKB+)にて、登壇者の皆さまと起業を考えている方やスタートアップ企業の経営者の方の活発な交流が生まれています。

当日の様子|日高の起業・共創実現のためのリアル対談

登壇者の紹介

本日ご登壇いただいた皆さまをご紹介します。

株式会社ぴあのっち 代表取締役 齋藤 由貴さま
お弁当や福すけ/野菜粉末翔すけ 代表 樋口 麻子さま
株式会社地域デザインラボさいたま 担当マネージャー 村瀬 光汰さま

登壇者の皆さま、貴重なお話をありがとうございました!

各登壇者のプロフィールはこちら

写真:登壇者集合写真

【第一部】パネルディスカッション

各登壇者の自己紹介や事業紹介から熱意がひしひしと伝わってきました。それだけでも非常に充実した内容でしたが、その後は下記のテーマに沿って、さらに活発な議論が交わされました。

ディスカッションテーマ

  • 日高における事業創出のポテンシャル
  • 日高の地域特性を生かした起業とは?
  • 日高企業×スタートアップ企業との連携に学ぶ

日高における事業創出のポテンシャル

村瀬さま
「日高市はIターンやUターンで来る人がけっこう多い印象です。事業者をサポートする仕組みがうまく機能していて、商工会に入る人も増えています。昔ながらの”いい意味での田舎らしさ”があって、外から来た人を惹きつける魅力がありますね。都会とはまた違った良さがあるところです。」

齋藤さま
「日高市には市内に大学やアリーナがあって、巾着田みたいな素敵な場所もあります。駅も3つあって、なんだか不思議な魅力があるんですよね。それに、日高市は人と人との横のつながりがとても強いんです。起業家同士はもちろん、異業種でもお互いに助け合う雰囲気があります。

商工会のサポートもすごく手厚くて、税務や起業に関するちょっとした困りごとでも、気軽に相談にのってもらえます。他の事業者を紹介してくれたり、無料相談もあったりして、とても心強い存在です。これから起業するなら、まずは商工会に行ってみるのがおすすめ。たいていのことはそこで解決します。」

樋口さま
「私は商工会の創業塾出身で、相談を受けたのをきっかけにそのまま起業しました。秩父のかぼすを使いたいと思って商工会に相談したら、すぐに事業者さんを紹介してもらえて、とても助かりました。

また、厨房を探していたときに、地元の和菓子屋さんを紹介してもらって、その店舗を使わせてもらうことになりました。ものづくり補助金の申請方法なども、その和菓子屋さんにいろいろ教えてもらって、本当にお世話になりました。

日高市はシニア世代が元気なんですよね。うまく力を活かせれば、本当に大きな戦力になります。良くも悪くも、シニア人材が多いのが日高市の特徴だと思います。」

日高の地域特性を生かした起業とは?

樋口さま
「自分のお店を持ちたいと思ったのが起業のきっかけでした。ちょうど創業塾があって、商工会の方が仕事を紹介してくれたりもしました。日高市の特徴って、やっぱり“人”なんですよね。良くも悪くも、人とのつながりがすごく濃い。

もともとカフェをやろうと考えていたのですが、子育てをしながらなので、土日休みもほしいと思っていて。それで、『会社向けのお弁当配達なら休日も取れるかも』と考えたんです。当時、市内には同業のお弁当屋さんが一軒だけだったんですが、コロナの影響でテイクアウトを始める事業者が増えて、けっこう苦労しました。」

齋藤さま
「私は音大出身なのですが、会社勤めだけではなかなか音楽で生活していくのが難しくて、”ぴあのっち(ピアノ教室)”を始めました。その後、日高市に来るタイミングで、”まなびっち(キャリア教育・職業体験)”をスタートしました。

やっぱり日高市って“人”なんですよね。人口減少が続く中で、どうすればこの街を元気にできるかを他の事業者たちと話していて、”日高市にはこんないい会社があるんだ!“ってもっと多くの人に知ってもらえるような仕組みをつくりたいと思うようになりました。サービスを受ける側もうれしいし、提供する側もうれしい──そんな“お互いに幸せになれる仕組み”をつくりたいんです。こういう考え方が、日高らしさというか、地域の特徴なのかもしれません。

それに、子どもにいろんな体験をさせたいという親御さんが増えてきていると思うので、地域の特性とうまくつなげながらサービスを提供していけたらいいなと思っています。」

日高企業×スタートアップ企業との連携に学ぶ

村瀬さま
「日高市には、製造業や一般サービス業、小売業など、いろんな分野の事業があります。これからは特にサービス業に成長の余地があるんじゃないかと思っています。

高齢者のコミュニティがしっかりしている地域なので、シニアの方々をうまく巻き込めるかがカギになりそうです。シニアと一緒に取り組めるようなサービス業が、これからの日高には合っているんじゃないでしょうか。」

齋藤さま
「日高市の課題として感じるのは、まず移動手段の少なさです。バス路線が限られていて、基本的には車での移動が中心なんですよね。小学校まで徒歩で40分かかるところもあって、運転できない人にとっては生活しづらい面もあります。安心して、気軽に利用できる移動手段は、これからますます必要になってくると思います。

それから、美味しいご飯屋さんはあるのですが、夜に食事できる場所や、飲みに行けるようなところが少ないんです。人が気軽に集まれる場所があまりないので、外から人を呼び込もうとするなら、そのあたりの環境づくりも大事になってくるかもしれません。」

樋口さま
「日高市では廃校になった学校があるので、どなたかが宿泊施設として活用してくれたらいいなと思っています。巾着田やメッツァ、川越などへのアクセスも良いので、観光の拠点としてもぴったりなんですよね。

私の事業について言うと、野菜の粉末化を行っていますが、現在は、川越のバジル農園から仕入れたものを粉末にして給食の卸売会社へ販売したり、某市の大根の皮や葉をふりかけに加工して販売したりしています。ただ、今のところ日高市の事業者さんからの注文がないので、今後はぜひ地元の方々とも連携していきたいと思っています。

野菜の粉末は、お菓子に混ぜたり、ふりかけやハーブチップ、お茶にしたりと、いろんな使い方ができます。私たち自身で商品を作るというより、『こんな商品を作りたい』というアイデアを持っている方をサポートしたいと考えています。粉末化することで日持ちも良くなるし、規格外の野菜でも問題なく使えるんです。実際、うちでは”無選別”の農産物を仕入れて加工しています。」

【第二部】交流会・懇親会

第二部の交流会&懇親会では、登壇者と参加者が一緒になって、にぎやかに盛り上がるひとときとなりました。会場のあちらこちらで、真剣な語らいから笑い声までが飛び交い、終始あたたかく和やかな空気に包まれていました。登壇者と直接言葉を交わしたことで、「よし、やってみよう!」と新たな一歩を踏み出すきっかけを得た方も多かったことでしょう。

今後も、挑戦する起業家たちが互いに刺激し合い、共に成長していける場を創出していきます!

これから起業を考える方へ

起業には必ず失敗のリスクが伴います。起業を成功に導くには、起業を経験した人や事業を営む人の”生”の情報を得ることが大切です。起業家の”生”の声を聞かずに起業するなんて、自ら失敗の道を進んでいるようなもの・・・
RKB+の起業家ネットワークには、失敗のリスクを下げ、成功確率を上げるヒントが詰まっています。起業を志す方や漠然と起業を考えている方も、ぜひRKB+にお越しください。まずはイベントの参加または施設の見学を!

まとめ

日高での起業・事業創出の可能性や起業家の皆さまの熱量が伝わりましたでしょうか?

これからも、埼玉県内の各地域の起業家とともに埼玉起業人発掘プロジェクトを開催していきます。その他にも、起業家向けセミナーやネットワーキングイベント、ビジネスコンテストなど、様々なイベントを開催していますので、ぜひホームページをチェックしてください。Resona Kawagoe Base + の会員さまはもちろん、非会員の方もウエルカムです!

一緒に埼玉県を盛り上げていきましょう!

【参考】日高市の概要

「そもそも、日高市ってどんなところ?」と思われた方に向けて、日高市の基本情報やビジネス環境をご紹介します。「日高で起業するのもアリだな」と感じていただけたら幸いです。

日高市の基本情報

日高市は埼玉県の南西部に位置し、飯能市や鶴ヶ島市、川越市などに隣接する緑豊かなまちです。2025年9月現在、人口は約53,000人で、世帯数は約25,000世帯です(日高市HP)。市内には高麗川が流れ、巾着田の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)など四季折々の自然が楽しめる環境が広がっています。都市近郊でありながら、里山や田園風景が残る穏やかな住環境が魅力です。

毎年秋に開催される「巾着田曼珠沙華まつり」には多くの観光客が訪れ、真っ赤な花の絨毯がまちを彩ります。また、高麗神社や聖天院などの歴史ある名所も点在し、古代高句麗からの渡来人ゆかりの地として文化的にも特色ある地域です。
交通面では、西武池袋線・JR八高線の2路線が市内を通り、都心へのアクセスも良好です。自然と歴史、そして便利さが調和した日高市は、暮らしやすく心安らぐまちとして親しまれています。

グラフ:人口推移グラフ
出所:RESAS(地域経済分析システム)

日高市のビジネス環境

日高市の経済を付加価値額で見ると、「製造業」「医療,福祉」が中心となっています。

【交通・インフラ】
日高市は、埼玉県南西部に位置し、首都圏近郊の交通結節点として優れたアクセス環境を有しています。市内にはJR八高線と西武池袋線が通り、東京都心や川越方面への通勤・通学、さらには広域的な物流にも便利な立地です。
また、国道407号・299号などの主要幹線道路が市内を縦横に走り、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の狭山日高インターチェンジにも近接しています。これにより、関越自動車道・中央自動車道・東名高速道路などへの連絡もスムーズで、埼玉県内はもとより首都圏全域への移動や物流拠点として高い利便性を誇ります。
鉄道・道路の双方が充実した交通インフラにより、日高市は企業立地や広域ビジネス展開に適した環境を備えるとともに、住民にとっても快適な生活アクセスを実現しています。

グラフ:従業者と労働生産性から見る付加価値額

日高市で起業するなら

日高市では、市内で新たに事業を始める方を支援するため、「日高市創業支援補助金」を設けています。市内で創業する法人・個人を対象に、創業に必要な経費の一部を補助するもので、補助率は対象経費の2分の1以内、上限は法人10万円、個人5万円です。対象経費には、法人設立費用、備品購入費、広告・広報に関する費用などが含まれます。また、市は「特定創業支援等事業」として、創業相談や経営セミナーを通じたサポートも実施しており、制度の利用により国や県の補助金・融資制度で優遇を受けられる場合もあります。日高市は、起業を志す人にとって心強い環境が整ったまちです。
もちろん、RKB+においても、様々なバックグランドを持つコミュニティマネージャーが起業家の皆さまをサポートしますので、何なりとご相談ください。