埼玉起業人発掘プロジェクト『熊谷の起業・共創実現のためのリアル対談』開催レポート
2025年8月20日、第14弾となる埼玉起業人発掘プロジェクト『熊谷の起業・共創実現のためのリアル対談』を開催しました!
第一部では、熊谷の未来をつくる登壇者の皆さんから、この街で挑戦を続ける想いや、事業づくりに込めた熱いストーリーを直接聞くことができました。 そして第二部の交流会&懇親会は、その盛り上がりをそのまま引き継いで、新しい出会いやつながりがどんどん生まれる、にぎやかで楽しい時間になりました!
「埼玉起業人発掘プロジェクト」とは
埼玉県内の各地域の起業家・経営者を発掘・紹介するとともに、埼玉地域起業家✕埼玉地域起業家による共創が生まれる場をつくり、広域のコミュニティを形成していくために発足したプロジェクトです!
りそなコエドテラス 3階のResona Kawagoe Base+ (以下、RKB+)にて、登壇者の皆さまと起業を考えている方やスタートアップ企業の経営者の方の活発な交流が生まれています。
当日の様子|熊谷の起業・共創実現のためのリアル対談
登壇者の紹介
本日ご登壇いただいた皆さまをご紹介します。
株式会社LIBERANOVA 代表取締役 杉山 大樹さま
株式会社高遠 代表取締役 冨岡 孝信さま
一般社団法人星川エリアマネジメント 理事 中島 雄平さま
合同会社ハクワークス 代表取締役 白田 和裕さま
株式会社うぇぶ屋 代表取締役 宮迫 功次さま
登壇者の皆さま、貴重なお話をありがとうございました!

【第一部】パネルディスカッション
各登壇者の自己紹介や事業紹介から熱意がひしひしと伝わってきました。それだけでも非常に充実した内容でしたが、その後は下記のテーマに沿って、さらに活発な議論が交わされました。
ディスカッションテーマ
- 熊谷における事業創出のポテンシャル
- 熊谷の地域特性を生かした起業とは?
- 熊谷企業×スタートアップ企業との連携
熊谷における事業創出のポテンシャル
杉山さま
「”地方の未来のポテンシャルを最大化する”をビジョンに会社を運営しています。熊谷でも魅力ある人・サービスがあるものの、埋もれてしまっているので、その可能性を最大化するサポートしたいと考えています。熊谷には事業の余白が多いと思う。できることは多いので、チャレンジしてみるのが一番だと思います。」
中島さま
「熊谷の課題は人口減少が進んでいることです。特に20代~40代女性が減少しており、合計特殊出生率が1を切ってしまっています。また、中心市街地の人通りがまばらで、通行量が30年間で80%も減少しています。
当社では町づくり事業に加えて、新たに雇用を生み出す事業を立ち上げて、地域に人の循環をつくりたいと考えています。事業のポテンシャルは、見つけようとすると見つかると思います。ただ、古くから事業を行っている人たちは、新しいことにチャレンジしづらいのかなという印象です。熊谷市外から入ってきた人や若い人がポテンシャルを見出しているケースが多いと思います。」
白田さま
「熊谷にはいろいろな店があり、魅力のある人たちが多くいます。そのような人たちをバックアップしたいと考えています。空き家というハードを活用して、チャレンジする人をバックアップする。ハードとソフトの両輪を回すようなイメージでシェアスペースを運営しています。
美味しい材料と料理人が熊谷にはあります。熊谷の夏みかんを使って、日本一暑い街で、美味しいビールを飲めると面白いのではないかと思い、実証実験に取り組んでいるところです。面白いものを使ってお土産を作るなど、さまざまなポテンシャルがあるのではないかと思います。」
この他には「熊谷は市外からの人を温かく受け入れる町という印象。新しいものを受け入れる風土がある。」「新幹線が止まるのでアクセスが良い。」「熊谷には埼玉県農業大学校があり、小麦や大豆、葱、大和芋の生産量が多いことから、学び・生産・流通の一貫した農業分野が盛んです。」といったお話がありました。


熊谷の地域特性を生かした起業とは?
杉山さま
「熊谷市はスポーツチームが多いのが特徴です。埼玉パナソニックワイルドナイツ(男子ラグビー)やアルカス熊谷(女子ラグビー)、ちふれASエルフェン埼玉(女子サッカー)、埼玉武蔵ヒートベアーズ(野球)といったチームがあります。私が起業するにあたってはサッカー軸がメインでした。サッカーでは熊谷市外で活躍する人が多いので、熊谷市内に戻ってくる場を作りたい、市内で活躍する人が出てきてほしいという思いで事業始めました。スポーツを通じたビジネスの可能性があると思います。
WEBビジネスは、熊谷市の事業者とコミュニケーションを取る中で、自社のHPを褒めてもらうことがあり、”ひょっとしたらビジネスチャンスがあるかも”と思い、事業を立ち上げてみました。まだまだ魅力を伝えきれていない事業者が多いと思うので、この領域のビジネスチャンスは大きいのかなと思います。担い手は自社のメンバーだけでなく、海外含めた外部の人材と一緒に仕事をしています。熊谷に限らず外部の人材を巻き込んでいくことで、面白いことができると思います。」
白田さま
「熊谷には魅力的な建物がありますが、空き家も多いです。また、熊谷には個性的な人が多く、そのような人たちに居場所と出番があれば活躍できるのではないか、そう考えてシェアキッチンを運営しています。実際に、アレルギーのある子どものために米粉のお菓子を作り始め、ネットやマルシェで販売するためにシェアキッチンを活用するような人が出てきています。熊谷には”ユニークな人”がいます。」
熊谷企業×スタートアップ企業との連携に学ぶ
登壇者の皆さまから様々な連携事例や連携の可能性をご紹介いただきました。
杉山さま「サッカーチームと地元イベントのコラボレーション。」
冨岡さま「国産の有機野菜農家や食品メーカーとのコラボレーション。」
中島さま「地元企業の協賛をもとに星川のイルミネーションを実施。また、大手企業の企業研修(大手企業の新入社員が地元中小企業の経営を学ぶプログラム)を支援。」
白田さま「熊谷市内のどなたでも連携させてほしい。
宮迫さま「規格外の農産品を活用したジェラートや”かっこいい農家”をキーワードに就農希望者と後継者不足に悩む農家をつなげる事業者、酒蔵と食肉メーカーがコラボした酒かすカレーの事例など、農業の6次産業化やフードロスの観点でさまざまなコラボレーションが実現しています。」



【第二部】交流会・懇親会
第二部の交流会&懇親会では、登壇者と参加者が一緒になって、にぎやかに盛り上がるひとときとなりました。会場のあちこちで、真剣な話から笑い声まで飛び交い、終始あたたかく和やかな空気に包まれていました。
登壇者と直接言葉を交わしたことで、「よし、やってみよう!」と新たな一歩を踏み出すきっかけを得た方も多かったことでしょう。
今後も、挑戦する起業家たちが互いに刺激し合い、共に成長していける場を創出していきます!



これから起業を考える方へ
起業には必ず失敗のリスクが伴います。起業を成功に導くには、起業を経験した人や事業を営む人の”生”の情報を得ることが大切です。起業家の”生”の声を聞かずに起業するなんて、自ら失敗の道を進んでいるようなもの・・・
RKB+の起業家ネットワークには、失敗のリスクを下げ、成功確率を上げるヒントが詰まっています。起業を志す方や漠然と起業を考えている方も、ぜひRKB+にお越しください。まずはイベントの参加または施設の見学を!
まとめ
熊谷での起業・事業創出の可能性や起業家の皆さまの熱量が伝わりましたでしょうか?
これからも、埼玉県内の各地域の起業家とともに埼玉起業人発掘プロジェクトを開催していきます。その他にも、起業家向けセミナーやネットワーキングイベント、ビジネスコンテストなど、様々なイベントを開催していますので、ぜひホームページをチェックしてください。Resona Kawagoe Base + の会員さまはもちろん、非会員の方もウエルカムです!
一緒に埼玉県を盛り上げていきましょう!
【参考】熊谷市の概要
「そもそも、熊谷市ってどんなところ?」と思われた方に向けて、熊谷市の基本情報やビジネス環境をご紹介します。「熊谷で起業するのもアリだな」と感じていただけたら幸いです。
熊谷市の基本情報
熊谷市は埼玉県の北部に位置し、深谷市や行田市などに隣接する県北の中心都市です。2025年4月現在、人口は約190,000人で、世帯数は約86,000世帯です(埼玉県推計人口)。市内には荒川や利根川などの河川が流れ、自然と都市機能が調和した住環境が広がっています。また、「日本一暑いまち」として知られ、夏には全国的に注目を集めています。
毎年開催される「熊谷うちわ祭」や「熊谷花火大会」は多くの来場者でにぎわい、地域の伝統と活気を感じられるイベントです。熊谷市はJR高崎線・上越新幹線の熊谷駅を中心に交通の利便性も高く、東京方面へのアクセスにも優れているため、通勤や通学、ビジネスの拠点としても魅力ある地域です。

熊谷市のビジネス環境
熊谷市の経済を付加価値額で見ると、「卸売業,小売業」「医療,福祉」「製造業」が中心となっています。熊谷市には、昭和初期創業の老舗百貨店である八木橋があります。買い物だけでなく地域交流の場としても親しまれ、市民の暮らしとともに歩んできた熊谷の象徴的存在です。
【交通・インフラ】
熊谷市は、県北の交通拠点として優れた交通・インフラ環境を有しており、事業展開において高い利便性を誇ります。市内にはJR高崎線・上越新幹線・秩父鉄道が通り、東京や群馬、新潟方面へのアクセスが良好です。また、国道17号や国道407号をはじめとする主要幹線道路が整備されており、関越自動車道の花園ICや東北自動車道の羽生ICにも近接しています。これにより、埼玉県内はもちろん、北関東や首都圏全域への広域輸送や営業展開に適した立地となっています。

熊谷市で起業するなら
熊谷市では、「熊谷市創業者応援補助金」という制度を設けており、市内で新たに創業する方を対象に、創業にかかる経費の一部を補助しています。補助対象経費には、事業所の内外装工事(看板設置、床・クロスの張替、水道・電気・ガス等の工事)や広告宣伝費(ホームページ作成、紙面・ネット広告、チラシや名刺印刷等)が含まれます。補助率は対象経費の1/2、上限は20万円です。これら公的な支援を活用しながら、自分のアイデアを形にする起業の準備を進めてみてはいかがでしょうか。 もちろん、RKB+においても、様々なバックグランドを持つコミュニティマネージャーが起業家の皆さまをサポートしますので、何なりとご相談ください。